奥様の切実な思いを受け、ご主人の「笑顔と会話をもう一度!」[まごころ便りVOL .14]

こんな笑顔が見たかった!

大型船を所有し、船に寝泊まりしながら自動車関連の運搬業を営んでいたT・M様は、行動的で親分肌の性格でした。社員に悩みがあれば相談に乗り、社員に良いことがあれば一緒になって喜ぶ方でした。その人柄から皆に慕われ家族自慢のお父様でした。 しかし、先頭で広報に転倒し頭部を打ち、てんかん発作とこうじ脳機能障害を患い、会話することや歩くことなど日常の生活動作が難しくなりました。奥様や長男ご夫婦の介護により自宅にて療養されていましたが、症状が改善されることもなく、TM様、ご家族様ともに辛い日々を送られていました。

奥様は、以前のように少しでも元気になってもらいたい、日常生活でできることを増やしていきたいと施術をご希望されました。施術は、マッサージと運動を中心に、てんかん発作に配慮しながら行われました。施術師の訪問により、できることが1つずつ増えていくと、T・M様は、笑顔が増え、意欲的に運動方にも取り組まれました。その結果、5ヶ月で伝え歩きができるようになり、笑顔や会話も増えました。「 笑顔が増えたことが本当に嬉しいです」と言う奥様の感想に感激し、さらにご利用者様、奥様の笑顔が増えるよう真心込めて取り組んで参ります。

会話と運動法で身体能力・コミュニケーション能力向上へ
今回のケースは、 奥様・ご家族の熱い思いに応え、全介助状態のご利用者様が、日常生活において自立可となる項目を増やし、会話が増えた形に焦点を当てた事例です。

広島営業所 / 立畑地域相談員

<初期目標>

・膝部〜足部にかけての浮腫軽減、右肩部の疼痛の減弱あるいは消失。

<中長期的目標>

・日常生活動作の自律の確保→四肢・体幹部の筋力向上

<長期的目標>

・日常生活動作の自律の確保→立位の安定化、歩行時間の増大

治療内容

・関節リラクゼーション
・運動法
各関節、各運動方向へ曲げ伸ばし、Hip Lift 介助自動運動、体位変換EX 介助自動運動他

・マッサージ
求心性のマッサージ、ストレッチング他
※ 痙攣発作を配慮し身体状況に応じて施術量・内容を調節

ご利用者情報

T・M様(64歳・男性)

傷病名: 脳挫傷(H24年2月) 頭部外傷後遺症による四肢体幹機能障害
症候性てんかん
現在の施術は四肢体感の筋力向上につなげていくための関節運動リラクゼーション、運動法、マッサージ療法を行っています。今後は立位の安定化、歩行時間の増大を目標にご本人の意識向上とともに歩行回数を増やし 歩行時間・距離の増大を図って参ります。

谷口施術師

ご家族の声
日常生活の動作において、体全体に対して筋力もつき、立位も以前に比べ安定してきて、室内に置いて歩く時間や回数も増え満足しています。サービス開始時(H25年6月ごろ)は約2ヶ月に1度のペースで痙攣発作が起きていましたが、それ以降は起きていません。 少なからずサービス利用により良い刺激となっているのではないかと感じています。笑顔が増えたことが本当に嬉しいです。

ケアマネージャー様の声
サービス開始時は表情でしたが、現在は担当施術師の前ではニコニコと笑顔を出して、奥様や私には笑顔を見せない等、表情の使い分けができるようになっていたので驚いています。