奥様の介護負担を減らしたい!車椅子から立位動作が可能になるまで[まごころ便りVOL .13]
できることを増やしたい
米軍の駐屯基地で働き、その後溶接などの仕事をされていたT・S様は、活発な青年期を過ごされ、お子様、お孫様にも恵まれて笑顔が絶えない家庭を築かれていました。その後、脳梗塞、心筋梗塞を発症されT・S様は笑顔も減り、奥様中心の介護が始まりました。 そして、奥様の献身的な介護を受け、ご本人の意欲も変化が見られるようになり、奥様の介護・介助による負担を軽減し1人でできることを1つでも増やしたいと思うようになってきました。
中でも促通手技を開始した 3日目に、足の反応が高まり、前に出やすくなるという驚異的な回復が見られました。その1ヵ月後、「玄関の段差を解除なしで足を上げることができた」と、奥様と揃って喜びの声を聞かせていただくことができました。 今では、歩けるような気がしてきたと自ら口にするようになり、デイサービスでの歩行練習に前向きな気持ちで取り組まれ、階段昇降の練習を理学療法士さんに依頼しました。
マッサージやリハビリで体幹機能の向上を促し身体的能力改善。
今回のケースは、 安定した立位、歩行につなげていくための体幹を主体としたリハビリに取り組み、 身体能力が向上した事例です。マッサージ、関節運動法、促通技などのリハビリを重視した施術で体幹の機能向上を促し、早期改善につながった形に焦点を当てました。
大阪営業所 / 下田所長


<初期目標>
・四肢の拘縮改善。
<中長期的目標>
・ 介助なしでの立位動作及び立位保持
<長期的目標>
・ 体幹の緊張と柔軟性の獲得
・下肢の筋力向上と協調性運動の改善
治療内容
・ 左右の足関節の背屈角度改善の為。訪問毎に検査を行い、問題箇所を重視したマッサージ、関節運動法、促通運動法。
・麻痺側の右肩甲体の促通運動法
・筋力トレーニング(回数を重ねるごとに種目や回数を増加)
・呼吸を利用しての骨盤の前後運動

ご利用者情報
T・S様(84歳・男性)
傷病名: 脳梗塞後遺症 (平成15年)、心筋梗塞(平成18年)
現在の施術は安定した立位、歩行につなげていくための体幹を主体としております。今後は、体幹の施術で起こる代償運動を減らしていきながら、柔らかい体幹と硬い体幹の獲得を目指して行きます。仰臥位レベルでの膝伸展位を保った立位や、総体的な下肢筋力の向上、健側の自由度を高めることを、これからの課題として取り組んでまいります。
伊藤施術師

ご利用者様の声
・よく眠られるようになりました。
・腕が上がりやすくなり、着替えがしやすくなりました。
・端座位の保持が楽になってきてました。
・促通反復療法を開始してから、足が出やすくなりました。
・玄関の段差は、デイの送迎スタッフに足を上げてもらっていましたが、今は解除なしで足を上げることができます。
ご家族の声
・着替えやポータブルトイレ、ベッド、三和土から室内などの移動がスムーズになり、介助が軽減されました。
・着替えをさせやすくなりました。