人間の回復する可能性を信じて!マヒした右手が動くようになるまで[まごころ便りVOL .11]

右手を使えるように

脳梗塞の後遺症により、右片不全麻痺と言語障害を患うことになったS・I様。医師から右手を動かす事はもう難しいと言われました。陶芸や染色などデザインを手がけ、染色作家として素晴らしい作品を残されてきたS・I様は、 食品を作り出してきた右手が動かせない現実を目の当たりにし、右手を動かすことを一時は諦めていました。 病院でのリハビリにおいても足中心で、右手のリハビリは行っておりませんでした。今回、回復の可能性を信じ、訪問マッサージを申し込まれました。訪問マッサージでは、身体的なリハビリのほかに、認知運動療法も取り入れました。 SI様は、前向きに右手の施術に取り組まれ、その結果、ての指を伸ばす動きがはっきりとできるようになりました。今後は右手の各指の動きを促通法により引き出し、日常生活の向上を図っていきます。

認知運動療法で改善。
今回のケースは、 促通法や認知運動療法を試み、ご利用者、ご家族と一緒に前向きにリハビリに取り組み、身体的能力が向上した事例です。「右手を使えるようにしてほしい」と言う利用者様・ご家族の熱意になんとしても答えたいと言う思いで促通法や 認知運動療法と言う新しい試みを行い、早期での改善につながった経緯に焦点を当てました。

千葉営業所 / 渋澤相談員

<初期目標>

・ 右肩の痛みの改善。

<中長期的目標>

・ 右手の親指、人差し指、中指の屈曲動作を他の指に力が入らず10回

<長期的目標>

・ 食事、着替えなど日常生活で、右手を使えるようにする

治療内容

初期は、 右肩の痛みを改善するため、右肩周りのマッサージや促通法を用いて施術を行いました。施術日以外の日に課題として、「ふきんでテーブル拭き」を行っていただきました。 現在は、認知運動療法を取り入れ、指先の運動を行っています。

ご利用者情報

S・I様(80歳・男性)

傷病名: 脳梗塞後遺障害、右片不全麻痺、言語障害(運動性失語)
脳梗塞の後遺障害により、右片不全麻痺と言語障害を患われていました。右肩は屈曲や腕を下ろす動作時に強い痛みが出るため、着替えや洗顔など日常の生活面で支障がありました。 右手は、各指バラバラに動かすことができない状態でした。認知行動療法の導入により、親指、人差し指、中指の分離運動が改善されました。

今井施術師

ご家族の声
「右手は動くようにならないかも…」と病院の医師から言われていたので、今の状態に驚いています。以前は、着替えや入浴時に、右肩の痛みを訴えていましたが、今は全く痛みを訴えることがなくなり、介助もする上で、精神的にも身体的にも楽になりました。 リハビリやマッサージの効果がかなり出てきていると思います。

ケアマネージャー様の声
右肩の痛みも改善でき、右手で積極的に作業を行うようになってきました。表情も明るくなり、言語リハビリにも積極的に参加するようになりました。