動かせなかった腕が動くように!手足の拘縮が大幅緩和。[まごころ便りVOL .5]


関節の動きをゆっくり取り戻す。

W様は、施術開始当初、手足全てが拘縮している状態で、全くご自身で手足を動かすことができませんでした。これは廃用症候群と言い、寝たきりの状態が長く続いていたために、関節の動きが悪くなり、動かそうとすると痛みがひどく出ることが主な原因でした。施術は拘縮している手足を少しずつ運動法で広げながら屈伸するなどし、疼痛を緩和しながら拘縮の緩和に取り組んでいきました。効果はまず腕に現れました。疼痛はほぼなくなり、自力で動かなかった関節が、自分の力で動くようになってきました。動けるようになったことで、胃に入った管を外してしまうアクシデントもありましたが、今はそうしたこともなくなり、寝たきりの状態ではありますが、足も次第に自力での運動がわずかにできるようになってきています。少しずつの歩みではありますが、現状維持と足の疼痛緩和を目標にこれからも取り組んでいきます。

新潟営業所 / 戸松相談員

1年を超える取り組みが目に見える成果に。

今回のケースは、移動や食事、更衣などの手足を使った運動が自力では全くできず、軽度の認知症も加わって、重度の介護が必要だったW様が驚異的な回復を見せた改善事例です。当然のことながら、ご家族の介護負担も極めて高いものでしたが、週2回の施術を1年以上続けてきたことで、腕は自力で動かすことが可能になり、足も回復の反応が見えるようになりました。ご家族も驚く回復の過程に焦点を当てました。

<初期目標>

四肢関節拘縮の緩和
疼痛の緩和。

<中長期的目標>

四肢拘縮部の維持・向上
下肢の疼痛緩和

治療内容

施術の当初は、関節の可動域の向上を目指した手足と体幹部の関節運動法、及び屈伸など各関節の稼働方向への運動からスタートしました。次第に自力で動かせるようになってくるにつれ、他動運動を自動介助運動に切り替えるようにしました。現在では、現状の可動域を維持するようにするとともに、手足の屈伸運動を自力でできるように施術を実施しています。また、手足だけではなく、首の疼痛対策も実施しています。

予想以上の介護負担軽減が実現される!

手の自力運動ができるようになったことで、特に更衣をする時など介護負担が大幅に軽減しました。負担が増えなければとのご要望でしたが、逆に軽減できるようになったことでご家族も驚いておられます。認知症の状況も踏まえつつ、現状維持・向上のためにこれからもベストを尽くします。

ご利用者情報

W様(80歳・女性)

傷病名:廃用症候群、認知症、嚥下障害、肺結核
上肢、下肢ともに疼痛と拘縮があり、自動運動が全くできない状態でした。股関節の変形(外旋位)も見られました。また軽度の認知症、さらに嚥下障害がありました。

家族の介護負担を、これ以上増やしたくない。
W様の介護になっておられる娘さんからは、家族の介護の負担をこれ以上悪化させたくないと言う要望がありました。そのためのポイントとしてあげられたのは、四肢と体幹部の関節拘縮を緩和することと、四肢の疼痛を緩和することで、その2点を集中目標とし、施術を開始することになりました。

新潟営業所 / 小野塚施術師