歩行の安定性が大幅向上!理学技術を取り入れたアプローチ。[まごころ便りVOL .4]
左側を集中ケア。
脳梗塞後遺症により、左側の上肢・下肢ともに麻痺が起こったT様。座位保持の時も、左側に姿勢が崩れやすく、骨盤を後傾させてしまっていました。そのため、患側の体幹のバランストレーニング、肋骨から肩甲骨にかけての筋肉へのアプローチから考える胸郭への施術、股関節・膝関節の屈伸などを通じて、バランス改善とスムーズな動作の獲得に取り組みました。T様はせっかちで飽き性との事でしたので、動きを抑制しつつ、随時メニューを変更することでモチベーションを維持しました。途中3週間の入院があり、退院後の運動能力低下から、精神的にも落ち込まれることもありましたが、施術師の献身的なフォローで、心身ともに非常に早い段階でも元の状態に回復できました。T様は、奥様と一緒に買い物に行きたいと言う隠れた最終目標をお持ちです。その目標が達成されるよう寄り添っていきたいと考えています。
大阪営業所 / 志賀相談員


理論に基づく多彩な施術が信頼へと。
今回のケースは、左に麻痺が残り、体のバランスを維持することが難しく、移動に困難を抱えたT様に対して理学アプローチが効を奏した事例です。弊社では理学療法士と連携し、勉強会を定期的に実施しています。そこで習得した様々な理学技術を臨床で応用し施術を行い、T様が飽きることなく、楽しみながらしっかり効果を出せていることが高いモチベーション維持に役立てられているのだと思います。T様の状況を詳細まで捉えたプランニングで効果を出せた経緯に焦点を当てました。
<初期目標>
股関節の動きをスムーズに
室内の安全な歩行動作獲得
<中長期的目標>
段差を安全に乗り越える
上肢の運動・ 位置感覚の向上
治療内容
今回のT様に対する施術は上肢と下肢を日を分けて行っています。最初は左足の関節リラクゼーション法や体幹の捻り運動法、背部のマッサージなどから開始し、飽きないよう定期的にメニュー変更を行い、現在は抵抗を加えながら、股関節の開排運動法、胸を広げるアプローチ、位置感覚の練習、立位での手すりを使った姿勢保持練習、目標物をまたぐ動作練習、バランス運動など、様々なメニューを組み合わせ合わせ、もともとあった高い意欲を保てるよう工夫しています。
車椅子は使うことがほとんどなくなりました!
歩行動作が安定してから、カーペットのへりなどでつまずくことも減り、トイレもスムーズに行けるようになりました。これまでは日中1人でいるときはし尿瓶を使っていましたが、それもなくなったとのこと。また室内での車椅子移動のため、生活スペースが狭くなっていたことが解消できたのも、ご家族にとっては喜びでした。もともと意欲の高いT様は、実はデイケアなどでは筋トレをしていることも。オーバーワークには充分注意しながらさらなる改善に取り組んでいきます。

ご利用者情報
T様(58歳・男性)
傷病名:脳梗塞
座位の時に左に崩れる傾向があり、立ち上がり動作でのふらつきなど動作が安定せず、転倒しやすい状況でした。また、3週間ほどの入院があった際には、モチベーションも下がり体の状態も落ちていました。
転倒なく安全に過ごしたい。趣味の再会も目標に。
車椅子移動が多く、杖歩行では壁にもたれながらでなければ移動が難しい状態から、まずは転倒せずに杖を使ってスムーズに移動できるようになりたいと言うニーズがご本人・ご家族、ケアマネージャーさんからありました。また左手で趣味のイラストを書きたいと言う願いも持っておられます。
大阪営業所 / 福永施術師
