余命宣告を乗り越え回復へ!施術と環境整備で張りのある生活に。[まごころ便りVOL .7]
原因に対して的確な施術。
日中寝たきりで動かないことから、廃用性萎縮が進行し、食欲減退のため低栄養状態でもあったS様。しかしお体は全く動かないものの、思考はしっかりしており、会話も可能であったため、改善すべきは筋力の低下、動作の際の痛みや痺れの緩和であることが明らかでした。そのため、初めはマッサージとベッド上での基礎トレーニングを徹底して実施。疼痛と痺れの緩和に早い段階で成功したことで、施術を開始してから3ヶ月後には坐位保持、半年で立位や歩行の安定と、より高い目標を目指すことができるようになりました。さらにご主人の積極的な家事や、ヘルパーによるトイレ介助での起居動作の練習、住宅改修など環境整備も効果を高め、現在は一部伝え歩きができる段階になっています。S様の介護にあたるスタッフ全員と良いコミュニケーションができていることが強みになっており、目標達成に一丸となって取り組めています。
横浜港南営業所 / 加藤相談員


目標がやがて通過点に。さらにより良い暮らしを目指す。
今回のケースは、医師から余命宣告を受け、在宅医療に切り替えた方が、介護スタッフと一丸となって、施術に取り組んだ結果、寝たきりから手引き歩行が可能になるまでに改善した事例です。当初は寝返り以外の動作はご自身でできない全介助でした。その後、宣告された余命を超えてからも回復を続けられ、食事や排泄などはほぼ自立でき、屋内移動も可能になりました。こまめにステップアップしながらより高い目標に向かうことができた経緯に焦点を当てました。
<初期目標>
両下肢の異常感覚(痺れ)の緩和
坐位時間の延長
<中長期的目標>
下肢筋肉の向上
手引き歩行距離の延長
治療内容
当初はターミナルとのお話から施術に入ったこともあり、疼痛と痺れを緩和するためのマッサージや負荷をかけた運動が中心の施術で、端坐位や立位での施術は実施していませんでした。しかし、3ヶ月ほどの施術を通して、痛みの緩和や栄養状態の改善が見られたことから、介護負担の軽減を見据えて、段階的に目標を上方修正し、下肢の筋肉向上の施術を取り入れました。さらに半年ほどで立ち上がり練習、手引き歩行練習とステップアップ。膝への負担などに配慮しながらより安定した歩行を目指しています。
寝たきり状態からの脱却!気持ちは次の目標へ。
介護の中心となっているご主人は、S様が意識混濁した時期もご覧になっていたこともあって「今の回復は予想外」と驚いておられます。自力で起きたり、トイレへの手引き移動が可能になって、介護負担も大幅に軽減したと喜んでおられます。S様ご自身もご家族へ面倒をかけながら生活していた辛さが緩和され、さらに生活に張りが出てきて、もっと良くなりたいと意欲的になっておられます。そのお気持ちに応えられるよう、引き続き前向きに施術を進めて参ります。

ご利用者情報
S様(83歳・女性)
傷病名:脊椎管狭窄症、廃用性萎縮
狭窄症の診断以降、夏場に体調変調をきたすなど入退院を繰り返しておられました。施術開始直前の入院では、寝たきりの状態が長く廃用性萎縮が進んでおり、身体を動かせない状態でした。
まずは痛みと痺れの緩和。回復が次のニーズを生み出す。
施術開始当初は、介助動作時に下半身の疼痛が増悪し、また介護負担も大きかったことから、下肢の疼痛としびれの感覚を緩和することがご本人・ご家族ともにニーズとなっていました。しかし、施術によって顕著に回復される過程で、ご自身での歩行ができるようになるなど、より高い目標に移ってきています。
横浜港南営業所 / 武田施術師
