『大腿骨頸部骨折後施術の極意:プロが教える動作能力向上プログラム』PT-T4F21_0

〜「歩ける」を支える!アルゴリズムで導き出す機能回復への最短ルート〜

【目次】

  1. はじめに:高齢者の未来を守るマッサージ師の役割
  2. 大腿骨頸部骨折とは?知っておきたい基礎知識
  3. なぜ起こる?転倒と骨粗鬆症の深い関係
  4. 骨折部位で変わる!内側骨折と外側骨折の違い
  5. 術後の予後を左右する「歩行能力」の重要性
  6. 廃用症候群という二次的リスクを防ぐには
  7. 評価の羅針盤!「アルゴリズム」思考のすすめ
  8. 寝返り・起き上がり動作をスムーズにするポイント
  9. 座位保持と体幹機能の意外な関係
  10. 立ち上がり動作の3つのフェーズを解剖する
  11. 離臀(りでん)の瞬間に必要な筋力と協調性
  12. 股関節だけじゃない!足関節・膝関節の連動性
  13. 驚きの事実:体幹トレーニングが股関節を救う
  14. 身体機能に合わせた歩行補助具の選び方
  15. おわりに:明日から実践できるアプローチのまとめ

1.大腿骨頸部骨折とは

大腿骨頸部骨折は、股関節の付け根にある「大腿骨の頸部」で発生する骨折です 。高齢者に非常に多く、その後の生活の質(QOL)に直結する重要な疾患です。

分類のポイント:
関節包内骨折(頸部内側骨折): 骨折が関節の袋(関節包)の中で起きるもの 。血流が途絶えやすく、骨がくっつきにくい(骨癒合不全)や骨が死んでしまう(骨壊死)のリスクがあります 。
関節包外骨折(転子部骨折): 関節包の外で起きるもの 。血流は比較的豊富で骨はくっつきやすいですが、筋力の低下が顕著に現れます 。

治療の原則: 早期離床を目指し、原則として「手術」が選択されます 。転位(ズレ)の程度により、自分の骨を固定する「骨接合術」か、人工の関節に換える「人工骨頭置換術」かが決まります 。

  1. なぜ高齢者に多いのか

骨折の引き金となるのは、単なる「転倒」だけではありません。

身体的要因: 加齢による生理的機能の低下、脳卒中の後遺症、痛みによるバランス能力の低下などが、転倒の機会を増やします 。
骨の脆弱性: 「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」が背景にあることが多く、非常に弱い力でも骨折に至るケースがあります 。
統計的背景: 大腿骨頸部骨折の原因の90%以上が「転倒」によるものです 。

  1. 動作能力向上のためのプロの視点

リハビリテーションやマッサージの現場では、単に「筋肉を揉む」だけでなく、「なぜ動けないのか」という視点で評価・介入することが重要です。

「アルゴリズム」に基づく評価:
仰臥位(寝た姿勢)→寝返り→起き上がり→座位→立ち上がり→立位→歩行という順序に沿って、どこでつまずいているかを確認します 。

立ち上がり動作の強化:
第1相(前傾): 体幹を前に倒す際、背中を支える脊柱起立筋のコントロールが不可欠です 。
第2相(離臀): お尻が浮く瞬間、重心を足の裏へ移動させるために「前脛骨筋(すねの筋肉)」が強く働きます 。

体幹トレーニングの重要性:
最新の研究では、お尻(股関節)のトレーニングだけでなく、「体幹トレーニング」を併用することで、股関節の機能が劇的に向上することが示されています 。
「股関節が悪いから股関節だけ」ではなく、体幹を安定させることが歩行自立への近道です 。

  1. まとめ

大腿骨頸部骨折のケアにおいて、私たちが目指すべきは「再び自分の足で歩ける喜び」を提供することです。

歩行は生命予後に直結する: 退院時の歩行能力が高いほど、その後の死亡率が低下するというデータがあります 。
協調性を育む: 股関節、膝、足首がバラバラではなく、同時にスッと伸びる「協調的な運動」を再学習させることがプロの技です 。
廃用を防ぐ: 「動かない・動けない」状態が続くと、全身の機能が衰える「廃用症候群」を招きます 。マッサージを通じて痛みを緩和し、動きやすい体を作ることは、その第一歩となります。

【参加者のコメント】

・「股関節の骨折なのに体幹が大切だなんて驚きでした!明日からのお客様へのアプローチに自信が持てます。」
・「アルゴリズムの考え方で、どの動作から練習すればいいか頭の中がスッキリ整理されました。」
・「難しい専門用語も丁寧に解説していただけたので、初心者の私でも深く理解できました。」
・「立ち上がりのフェーズごとの筋活動を知り、マッサージで重点的にケアすべき場所が明確になりました。」
・「プロとしての責任感を再確認できる、熱意あふれる講義をありがとうございました!」

【運営スタッフより】

本日は熱心にご受講いただき、誠にありがとうございました。皆様のような志の高いセラピスト・マッサージ師の方々と共に学べることを大変嬉しく思います。 今回の知識を現場で活かすことで、一人でも多くの高齢者の方が笑顔で歩き続けられる未来を創っていきましょう。皆様の今後のさらなるご活躍を心より応援しております。

<<<講義内容は、順次アップして行きます>>>