『ひとに寄り添う施術基礎セミナー』PT- N31710_1
① なぜ今「人に寄り添う施術」が改めて問われているのか
― 高齢者臨床における専門職の思考転換―
🔴やさしさだけでは支えきれない時代の施術判断
♦「寄り添う施術」が意味するものの変化
・共感中心の施術では限界がある
高齢者の「つらい」「痛い」に応じるだけの施術は一時的な安心は与えますが、生活機能の維持・安全性までは担えません。現代の臨床では、感情への共感に加えて、身体状況を見極める専門的判断が不可欠です。
・高齢者の身体は多因子で成り立つ
加齢変化、廃用症候群、慢性疾患、神経機能低下が重なり合い、症状は単純ではありません。寄り添うとは、この複雑性を理解しようとする姿勢そのものです。
・「楽にする」から「生活を守る」役割へ
施術者は単なる緩和者ではなく、生活の安全性を支える専門職としての役割が求められています。
♦寄り添う施術を支える評価視点
・症状の奥にある病態を読む
痛みや硬さの背景には、防御的筋緊張、姿勢反射低下、呼吸制限などが存在します。解剖学・生理学・神経学の視点が評価の質を高めます。
・動作と生活場面を基準に評価する
可動域や圧痛だけでなく、立ち上がりや歩行など、生活動作の中で何が起きているかを観察します。
・評価が介入の方向性を決める
評価が曖昧なままでは、施術は場当たり的になります。寄り添う施術には、明確な評価軸が必要です。
♦専門的判断に基づく介入が信頼を生む
・局所に偏らない全体的アプローチ
痛い部位だけでなく、体幹・呼吸・姿勢制御を含めた介入が、生活に生きる変化を生みます。
・「なぜ行うか」を説明できる施術
理論に基づいた施術は、利用者・家族・多職種への説明力を高め、信頼関係を築きます。
・体系的教育が寄り添いを支える
病態→評価→介入を一貫して学べる環境があってこそ、施術者は迷わず寄り添うことができます。
👉「人に寄り添う施術」とは、気持ちに寄り添うだけでなく、身体の状態を正しく見立て、安心して動ける環境を整えることでもあります。

