パーキンソン病の嚥下障害へのアプローチ第2回「ヤールの分類Ⅲ・Ⅳ」
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今回のセミナー情報
講義内容 | パーキンソン病の嚥下障害へのアプローチ全3回シリーズ第2回「ヤールの分類Ⅲ・Ⅳ」 |
開催日 | 2024年4月25日 |
講師 | (株)ケアプラス テクニカルアドバイザー 言語聴覚士 Ms.S |
開催場所 | ウェブセミナーにて |
講義目次
【Title】パーキンソン病へのアプローチ
【1】今回のメニュー
【2】第1章 パーキンソン病と嚥下障害
【3】Stageごとの課題
【4】ヤールの分類 病期
【5】パーキンソン病の症状経過
【6】運動症状 1
【7】運動症状 2
【8】パーキンソン病 病態
【9】死亡原因
【10】パーキンソン病の体重減少
【11】パーキンソン病の嚥下障害の特徴
【12】【まとめ】パーキンソン病の嚥下障害
【13】第2章 姿勢と嚥下障害
【14】一体、何すればいいの? 1
【15】一体、何すればいいの? 2
【16】円背の座位姿勢
【17】不良姿勢による嚥下障害
【18】悪い姿勢と良い姿勢
【19】姿勢調整
【20】姿勢調整① 足と骨盤
【21】姿勢調整② 体幹と頸部
【22】姿勢調整の考え方
【23】PD患者はなぜ前屈姿勢になるか?
【24】不良姿勢のターゲット筋肉
【25】第3章 姿勢調整・保持のためのアプローチ
【26】異常姿勢の分析
【27】姿勢保持のための筋力増強練習
【28】(臥位)腸腰筋 筋力増強練習
【29】(臥位)腹斜筋 筋力増強練習
【30】(座位)腸腰筋・腹斜筋 筋力増強練習
【31】ハムストリングスのトレーニング
【32】パーキンソン病の姿勢改善
【33】実技:胸椎腰椎伸展運動
【34】【まとめ】パーキンソン病の姿勢調整
【35】パーキンソン病の前屈姿勢
【36】まごころプログラム
【37】誤嚥対策基本施術プログラム
【38】まごころ誤嚥対策テクニック(呼吸と姿勢)
【39】まごころ誤嚥対策テクニック(発声・呼吸・舌骨上筋群)
【40】誤嚥対策6評価
【41】今日のまとめ
【42】明日の施術で
【43】パーキンソン病の症状変化チェックリスト
【44】姿勢調整例
【45】違いが分かりますか?
【46】食事動作を促すポジショニング
【Title】パーキンソン病へのアプローチ
【1】今回のメニュー
【2】第1章 パーキンソン病と嚥下障害
【3】Stageごとの課題
• ヤールI・II 運動機能を中心
• ヤールIII以上 嚥下機能のアプローチが必要
・姿勢保持調整・呼吸機能
Stageとどの症状が出ているかチェック
診断前にも症状がありますよ→
【6】運動症状 1
>詳しくはこちら
筋強剛(きんきょうごう)・固縮
・肩、膝、指などの筋肉がかたくなって、スムーズ
に動かしにくい(鉛管様)
・痛みを感じることもある
・顔の筋肉がこわばり、無表情に感じられる
(仮面用顔貌)
無動・寡動
・動きが素早くできない
・歩くときに足が出にくくなる(すくみ足)
・話し方に抑揚がなくなり、声が小さくなる
・書く文字が小さくなる(小字傾向)
姿勢反射障害・姿勢保持障害
・体のバランスがとりにくくなり、転びやすくなる
・歩いていて止まれなくなる、方向転換をするのが難しい
・首が下がる(首下がり症候群)
体が斜めに傾く(ピサ徴候)ことも
・転倒を招き、骨折の原因になるので注意が必要
静止時振戦
・何もしないでじっとしているときにふるえる
・片方の手や足のふるえから始まることが多い
・睡眠中はふるえがおさまるが、
目が覚めるとふるえが始まる
・1秒間4〜6回ぐらいふるえる
+嚥下障害の有無
・食形態
・食べ方
・ムセの有無
【7】運動症状 2
>詳しくはこちら
ウェアリングオフ
• L-ドパを飲むと、パーキンソン病の症状が良くなりますが、飲んで2〜3時間たつと、薬の効果が切れる現象です
ジスキネジア
• L-ドパが効いている時間帯に手足が勝手に動く症状(ウェアリングオフが出始めから少し遅れて出てくることが多い)
【8】パーキンソン病 病態
・一般的には50から70歳位で発症し、年齢が高くなるにつれて発症頻度も増加する
・遺伝性は5%程度
・「天寿を全うできる病気」平均寿命より2、3年低い程度
(治療の進歩、呼吸器、PEGなど リパビリの進歩のおかげ)
・患者数(世界) 2015年 690万人 → 2040年1420万人 "PDパンデミック"
・患者数(国内) 15から18万人 ー1000人に1人
(60歳以上) ー 100人に1人
・タイプは2つ 振戦優位型 無動固縮優位型
・嚥下障害はほぼ必発
Stageに関係なくいつでも起こるが、初期から8割程度にあると言われている
PDの死亡原因は?→
【9】死亡原因
>詳しくはこちら
パーキンソン病
第1位 肺炎(46%)
第2位 窒息(8%)
第3位 栄養障害(7%)
がん、心不全、脳血管障害
日本
第1位 がん
第2位 心不全
第3位 老衰
PDは食べることが原因でなくなる人が
多いんだね 嚥下障害の特徴は?→
【10】パーキンソン病の体重減少
• 5割以上が体重減少あり
• 味覚異常、便秘、消化管運動機能低下
• 筋固縮やジスキネジアによりエネルギー消費は増加する
• L-dopaによる吐気や食欲不振あり摂取量は減少する
• 進行するほど体重減少をきたす
• 食事性低血圧
【11】パーキンソン病の嚥下障害の特徴
薬が効きづらい
• 嚥下体操など嚥下間接練習の効果が薄い →治療方法がない
• 摂取量が少ない
• 食事に時間がかかる
動作緩慢・固縮 咀嚼嚥下運動に時間がかかる
• 喉頭挙上そのもののが障害される
姿勢反射障害による姿勢不良→嚥下筋出力の低下
+
舌骨上下筋群の固縮
他にも
・嚥下障害の自覚乏しい
・むせない誤嚥(不顕性誤嚥)が多い
など
まとめ→
【12】【まとめ】パーキンソン病の嚥下障害
• たくさん栄養が必要(消費カロリーは増える)
• 嚥下関連筋群や姿勢保持筋の低下や固縮あり
• 食べない、飲み込みづらい、治療法なしの三重苦
一体、何すればいいの?
姿勢調整と呼吸です(^^)
【13】第2章 姿勢と嚥下障害
【14】一体、何すればいいの? 1
STが食事の前にやっていること1
◉下肢、体幹、上肢のコンディショニング
筋緊張を解き姿勢調整がしやすくなります
嚥下障害改善のアプローチ
1. 食形態を変更
2. 嚥下体操
3. 姿勢調整保持
4. 呼吸機能
STが食事の前にやっていること2
◉姿勢調整
・足を床と接地
・骨盤を後傾
・頸部前屈位に調整
【15】一体、何すればいいの? 2
◉パーキンソン病の姿勢
◉姿勢調整のアプローチ
◉まとめ
ー頸部伸展 頭部下顎突出
ー円背による嚥下障害
ー円背の原因
ーハムと腸腰筋と腹斜筋
パーキンソン病の姿勢といえば・・?→
【17】不良姿勢による嚥下障害
>詳しくはこちら
1気道が広がる姿勢で
気道に食べ物が入りやすい
2「嚥下圧」がかかりづらい
3舌骨上下筋群の伸長
「喉頭挙上」を阻害する
4舌骨上下筋群の固縮
⇓
さらにさらに 嚥下障害が悪化
いい姿勢、悪い姿勢、やってみよう!→
【18】悪い姿勢と良い姿勢
• 「嚥下圧」の低下
口腔内(口唇閉鎖・軟口蓋挙上) 運動の阻害
• 舌・咀嚼 運動の阻害
• 喉頭挙上 運動の阻害
• 食道入口開大 運動の阻害
• 上肢 動作の阻害
• 呼吸 運動の阻害 (気道は開くけど・・)
つまり・・
「不良姿位を修正すれば嚥下障害は改善する」
•姿勢をよくすれば、
嚥下が良くなるらしいのはわかったけど・・?
◉座位姿勢調整の考え方と実例
◉姿勢保持のアプローチ法
昨日家族指導してきた患者様です→
【19】姿勢調整
>詳しくはこちら
実際の患者様の写真4枚添付あり
85歳 女性♯左大腿骨転子部骨折(day3 ope day21 退院)
パーキンソン病10年以上 ヤールIV
Pre)要介護5 時折室内歩行 常食自己摂取
問題点:食事でむせます 食事動作が止まります
【23】PD患者はなぜ前屈姿勢になるか?
>詳しくはこちら
• 筋肉の強剛や筋固縮? 姿勢反射障害?
• メカニズムは実はよくわかってない
• 体幹と骨盤へのアプローチが重要か?
• 体幹
脊柱起立筋よりも多裂筋が姿勢保持に関与している?
→ 「腸腰筋」、「腹斜筋」 へのアプローチ
• 骨盤後傾
→「ハムストリングス」 へのアプローチ
【25】第3章 姿勢調整・保持のためのアプローチ
【27】姿勢保持のための 筋力増強練習
>詳しくはこちら
動画あり。before after
体幹
腰椎前弯→後弯へ
・腸腰筋
・腹斜筋
骨盤
後傾→前傾へ
・ハムストリングス
当日一日の介入でも大きな姿勢改善がみられる
【28】(臥位)腸腰筋 筋力増強練習
>詳しくはこちら
最大筋力90%の力で各3,4回
立膝のまま、お腹に膝頭を持ってくる
・右足 ・左足 ・両側
※写真あり。施術師の手元の写真。患者へのアプローチの方法
【29】(臥位)腹斜筋 筋力増強練習
>詳しくはこちら
最大筋力90%の力で各3,4回
立膝のまま、左右に膝頭を動かす
※写真あり。施術師の手元の写真&引き画。患者へのアプローチの方法
【31】ハムストリングスのトレーニング
(座位)
片膝づつを前に伸ばす
※姿勢調整後、実施しないと効果なし
【32】パーキンソン病の姿勢改善
【33】実技:胸椎腰椎伸展運動
準備する物:バスタオル
• バスタオルを棒状にする
• 仰臥位でバスタオルを肩甲骨の下or腰の少し上に設置する
※首や腰が反ってしまう→枕を高くする、膝を立てる
• 両手でバンザイをして、下ろす
〜10回で1セット〜 休憩を挟んで計20回 朝・晩に
【34】【まとめ】パーキンソン病の姿勢調整
・PDの異常姿勢のメカニズムは実はよくわかってない
・高齢者の円背(不良姿勢)に加え、筋固縮,無動により、パー
キンソン病の嚥下障害はさらに悪化する
・嚥下体操よりも、姿勢調整や保持を意識する
・施術は姿勢保持を目的として介入する
・骨盤前傾・腰椎前弯を意識した姿勢づくり
ハムストリングス、腸腰筋、腹斜筋へのアプローチを
【35】■パーキンソン病の前屈姿勢
>詳しくはこちら
・両脇腹の「外腹斜筋」の異常緊張(立位時に正常人では見られない)
・「腸腰筋」の異常な筋緊張(腰曲がり前屈姿勢に関係する)
・体重免荷式トレッドミルトレーニング: BWSTT
局所麻酔剤であるリドカインを注射して筋緊張を和らげ、上体をベルトで吊り上げ起こしてベルト
(トレッドミル)上を歩行し、相対的に背筋を伸ばすリハビリ) を続けて行う治療法
7日間続け、正しい姿勢を再認識するという意識変革と自覚が本治療法の狙いです。
参照:金沢脳神経外科病院HP:
https://www.nouge.net/approach/パーキンソン病患者の前かがみ姿勢に対する治療/
※リドカイン(作用時間が数時間が短い)
【36】まごころプログラム
【37】誤嚥対策基本施術プログラム
>詳しくはこちら
※表あり
① 座位バランストレーニング(5手技)
[会員限定公開]
② 胸郭伸張トレーニング(4手技)
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③ パーソナル発声トレーニング(4手技)
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④その他対策
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※毎日継続できる内容や量を見定めながら実施します
【39】まごころ誤嚥対策テクニック(発声・呼吸・舌骨上筋群)
>詳しくはこちら
※表あり
① 発声機能(5手技)
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② 嚥下機能(1手技)
[会員限定公開]
④呼吸機能(2手技)
[会員限定公開]
【41】今日のまとめ
• StageI・IIは運動機能を中心、III以上は嚥下障害対策のアプロー
チが必要(姿勢保持調整・呼吸機能)
• パーキンソン病の嚥下障害は、嚥下間接練習や内服で改善ができな
いケースが多い
• 高齢者の円背(不良姿勢)に加え、筋固縮,無動でパーキンソン病の
嚥下障害はさらに悪化する
• 骨盤前傾・腰椎前弯を意識した姿勢づくり
ハムストリングス、腸腰筋、腹斜筋へのアプローチ
• パーキンソン病の嚥下障害でまごころスタッフが意識すべきことは
1不良姿勢を調整、良い姿勢を保持する
2呼吸機能を低下させない
3運動機能を低下させないこと
【42】明日の施術で
• 座位姿勢の改善を目的とした施術をしてみよう!
• ご利用者さんの変化を確認しよう
ーパーキンソン病チェックリストや
ーまごころ誤嚥対策6評価
【43】パーキンソン病の症状変化チェックリスト
>詳しくはこちら
【45】違いが分かりますか?
>詳しくはこちら
『これじゃきつくてご飯をたべられない』
※実際の患者様の写真で、before after
1背もたれのマジックテープを緩める
2足を床につける
3骨盤を立てるため、少し前にずれて座わる
4腰にタオルを当てる 5腕の下にクッション
【46】食事動作を促すポジショニング
>詳しくはこちら
※実際の患者様の写真で、before after
①の患者様
beforeで現在の状況の問題点を8点指摘
afterでそれを改善 骨盤の上に胸骨が載っている状態に出来た
②の写真
車椅子にクッションを入れる時の方法と注意点
施術・セミナー動画観覧ご希望の方へ
施術プログラムに関しては、セミナーで学んでいただけます。
WEBセミナーの参加や施術・セミナー動画観覧は、弊社とご契約いただいた方限定です。
●ご契約者様
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