公開セミナーのご案内


開催レポート

20201216-03 「廃用症候群の姿勢・動作リハビリ」

講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 理学療法士 Mr.T

今回の講義内容:「廃用症候群の姿勢・動作リハビリ」 2020年12月16日
講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 理学療法士 Mr.T

今回も、大勢の方に参加いただき充実した会となりました。
ご参加の皆様、「理学療法WEBセミナー」を熱心に受講していただき、誠にありがとうございました。
T先生、分かり易く熱意あるご講義をありがとうございました。
セミナーの概要については以下をご参照ください。

ケアプラスセミナーレポートTop_03.png


目次

1 IADLとADL
2 チェックポイント~環境設定〜
3 立ち上がり動作の相分け
4 身体重心の軌跡
5 立ち上がり動作と関節角度
6 立ち上がり動作と筋活動
7 立ち上がり動作と筋活動〜第1相〜
8 立ち上がり動作と筋活動〜第2相〜
9 立ち上がり動作と筋活動〜第3相〜
10 立ち上がりの筋活動
11 座り込みの筋活動
12 Question1
13 立ち上がり動作観察のチェックポイント
14 動作観察のチェックポイント
15 動作観察のチェックポイント〜第1相〜
16 動作観察のチェックポイント〜第1相〜 ②
17 動作観察のチェックポイント〜第2相〜
18 動作観察のチェックポイント〜第2相〜 ②
19 動作観察のチェックポイント〜第3相〜
20 脳血管障害患者の立ち上がり 動作観察
21 Question2
22 歩行観察
23 歩行中の重心移動
24 イニシャルコンタクト
25 ICのチェックポイント
26 ICのチェックポイント:大殿筋の収縮が得られているか?
27 ローディングレスポンス(Loading response:LR)(荷重応答期)
28 LRのチェックポイント:ヒールロッカーがうまく機能できている?
29 LRのチェックポイント:軽度の膝関節屈曲が見られるか?
30 ミッドスタンス
31 Mstのチェックポイント:アンクルロッカーが機能できてる?
32 Mstのチェックポイント:重心が最上位まで持ち上げられているか?
33 Mstのチェックポイント:体幹と骨盤は真っすぐ?
34 ターミナルスタンス
35 膝関節伸展位でフォアフットロッカーが機能されているか?
36 プレスウイング
37 Pswのチェックポイント:股関節がしっかり伸展できているか?

38 イニシャルスイング(Initial-swing:Isw)(遊脚初期)
39 ミッドスイング(Mid-swing:Msw)(遊脚中期)
40 ターミナルスイング( Terminal-swing:Tsw)(遊脚終期)
41 脳血管障害患者の歩行と健常人の歩行の違い
42 歩行中の重心移動
43 CVA患者の歩行周期における床反力
44 次回予告


PT_2020_1216_top-1.png

26   ICのチェックポイント:大殿筋の収縮が得られているか?

   踵接地時の床反力は、股関節の前方を通過する。

   この時、慣性力によって体幹・股関節の屈曲が生じますが、

   大殿筋が働くことにより、防止している。

   大殿筋の筋力が低下している場合は、慣性力による体幹、

   股関節の屈曲を防げないので、前方へ崩れた歩行となる。


27   ローディングレスポンス
   (Loading response:LR)(荷重応答期)

   始まり:イニシャルコンタクト

   終わり:反対側の脚が地面から離れた瞬間

   対側の下肢から荷重を受け継ぐ時期


   チェックポイント

   ✔ 衝撃吸収のために膝関節の軽度屈曲が見られるか?

   ✔ ヒールロッカーがうまく機能できているか?


28   LRのチェックポイント:ヒールロッカーがうまく機能できている?

   踵接地から足底全面接地にかけて踵を軸に下腿が前傾し、重心を上方に持ち上げる。

   ヒールロッカーの実現に必要な筋は、前脛骨筋である。

   前脛骨筋は、踵接地後ヒールロッカーの最中、足関節背屈を保持し、

   踵を支点にスムーズに回転できるよう働く。


29   LRのチェックポイント:軽度の膝関節屈曲が見られるか?

   歩行周期のうち、立脚期と遊脚期、

   それぞれ1回ずつ合計2回膝関節が屈曲する。(    )

   立脚期のローディングレスポンスで膝関節が約20度屈曲することを

   「      」という。

   第1ニーアクションの役割も同じで、地面からの衝撃を吸収するために

   膝関節を屈曲して、いなしています。

   よってローディングレスポンスでは「     」の筋力も重要となる。


30   ミッドスタンス
   (Mid stance:Mst)(立脚中期)

   始まり:反対の脚が地面から離れた瞬間

   終わり:観察している脚の踵が床から離れた瞬間

   重心が最上位となる時期


   チェックポイント

   ✔ アンクルロッカーが機能されているか?

   ✔ 重心が最上位まで持ち上げられているか?

   ✔ 体幹と骨盤は真っすぐか?

31   Mstのチェックポイント:アンクルロッカーが機能できてる?


   アンクルロッカーとは、足関節を軸にして、下腿が前傾する運動のことをいう。

   このアンクルロッカーにより、スムーズに重心を前方へ移動する。

   アンクルロッカーが機能できない原因に足関節背屈制限によるものがある。

 
32   Mstのチェックポイント:重心が最上位まで持ち上げられているか?

   ミッドスタンスで、重心が最上位まで持ち上がり、次の相で落下する。

   これにより位置エネルギーを運動エネルギーに変換することができ、

   歩行速度の加速が生み出される。


   重心を上方へ持ち上げられない場合、重心が落下するエネルギーを利用できない。

   筋により推進力を得なければならないため、非常に疲れやすくなる。

   ミッドスタンスで、重心を最上位にすることは、効率的な歩行をする上で重要。


   重心を上方へ持ち上げられない原因として、膝関節屈曲拘縮や、

   大腿四頭筋の筋力低下などがある。(他の可能性もあり)


33   Mstのチェックポイント:体幹と骨盤は真っすぐ?

   体幹と骨盤の位置関係が崩れると、次の相に悪影響を与える。

   多いのは、骨盤に付着している中殿筋の筋力低下による異常現象。

   中臀筋筋力低下により、

   「トレンデレンブルグ歩行」と「デュシェンヌ歩行」

   という2つの異常が出現する。


34   ターミナルスタンス
   (Terminal Stance=Tst)(立脚終期)

   始まり:観察している脚の踵が床から離れた瞬間

   終わり:反対側のイニシャルコンタクト

   ミッドスタンスで最上位となった重心が一気に落下し、速度が増す時期


   チェックポイント

   ✔ 膝関節伸展位でフォアフットロッカーが機能されているか?

35   膝関節伸展位でフォアフットロッカーが機能されているか?

   フォアフットロッカーは、中足指節関節(MP関節)を回転軸として

   重心を前下方へ移動させる役割を持っている。

   この機能で、前方への推進力が生まれる。

   重要な筋は下腿三頭筋で、遠心性収縮を行い最大筋力の80%働く。

   「膝関節の伸展したまま底屈を保持」することで、

   重心の前下方へ緩やかに移動し、前方への加速が生まれる。

   筋力により加速しているのではなく、筋が作り出したポジションにより、

   重心が緩やかに落下させて加速している。


36   プレスウイング
   (pre-swing:Psw)(前遊脚期)

   始まり:反対側のイニシャルコンタクト

   終わり:観察している脚のつま先が床から離れた瞬間


   チェックポイント

   ✔ 股関節をしっかり伸展できているか?


37   Pswのチェックポイント:股関節がしっかり伸展できているか?

   「股関節の伸展で腸腰筋が伸張されて、その力が解放することにより、

     スウィングされるから」重要となる。


   勢いのある安定したスウィングができるかどうかは、

   プレスウィングでポジションで決まるといっても過言ではない。


   この相で、しっかりと股関節を伸展し、腸腰筋を伸張させて、

   スウィングできていない場合、つまずく人がすごく多い。

   脳卒中発症初期の方などは、この相でつまずいている人が多い。


〉次回レポートは こちら


〉他のレポートは こちら

問題点の考察、機能評価、能力評価の方法、治療の方針と対策など
ケアプラスではより良質な訪問医療マッサージサービスが地域・社会に提供できるよう目指しております。