20210120-04「廃用症候群の姿勢・動作リハビリ」
今回の講義内容:「廃用症候群の姿勢・動作リハビリ」 2021年1月20日
講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 理学療法士 Mr.T
今回も、大勢の方に参加いただき充実した会となりました。
ご参加の皆様、「理学療法WEBセミナー」を熱心に受講していただき、誠にありがとうございました。
T先生、分かり易く熱意あるご講義をありがとうございました。
セミナーの概要については以下をご参照ください。
目次
1 ADLとIADL
2 歩行観察
3 歩行周期
4 歩行中の重心移動
5 イニシャルコンタクト
6 ICのチェックポイント:踵から接地ができているか?
7 ICのチェックポイント:大殿筋の収縮が得られているか?
8 ローディングレスポンス
(Loading response:LR)(荷重応答期)
9 LRのチェックポイント:ヒールロッカーがうまく機能できている?
10 LRのチェックポイント:軽度の膝関節屈曲が見られるか?
11 ミッドスタンス
(Mid stance:Mst)(立脚中期)
12 Mstのチェックポイント:アンクルロッカーが機能できてる?
13 背屈制限によりどんな歩行になるでしょうか?
14 背屈制限による異常現象
15 Mstのチェックポイント:重心が最上位まで持ち上げられているか?
16 Mstのチェックポイント:体幹と骨盤は真っすぐ?
17 ターミナルスタンス
18 膝関節伸展位でフォアフットロッカーが機能されているか?
19 プレスウィング
(pre-swing:Psw)(前遊脚期)
20 Pswのチェックポイント:股関節がしっかり伸展できているか?
21 イニシャルスイング
(Initial-swing:Isw)(遊脚初期)
22 ミッドスイング
(Mid-swing:Msw)(遊脚中期)
23 ターミナルスイング
( Terminal-swing:Tsw)(遊脚終期)
24 トレンデレンブルグ歩行の原因は中殿筋筋力低下だけ??
25 脳血管障害患者の歩行と健常人の歩行の違い
26 歩行中の重心移動
27 CVA患者の歩行周期における床反力
28 脳卒中片麻痺患者の歩行観察
29 機能(構造)障害・活動制限の関連付け作業:■歩行
30 治療に至るまでのフロー:
31 次回予告
25
26 歩行中の重心移動
・人間の立位時における重心位置は第2仙椎前方といわれている
(身長の52~54%の位置)
・水平面上の重心の動きは支持脚側に重心が寄る
(約2~3cmの振幅)
27 CVA患者の歩行周期における床反力
・健常者に見られる床反力の2峰性が見られない
・特に麻痺側における床反力の立ち上がりが遅い
・わずかな時間しか体重を支えていないことが分かる
・床反力の進行方向成分、左右方向成分が麻痺側、非麻痺側ともに小さい
麻痺側、非麻痺側へ交互に体重を乗せながら歩行している
28 脳卒中片麻痺患者の歩行観察
✔ 踵接地、立脚中期、踵離地に大きく分けて観察する
✔ 前額面からみた頭部、体幹、骨盤の左右への傾きと重心の位置を観察する
✔ 矢状面からみた頭部、体幹、骨盤の前後への傾きを観察する
✔ 水平面からみた頭部、体幹、骨盤の左右への回旋を観察する
✔ 股関節、膝関節、足関節の位置関係と角度を目測する
✔ 歩行動作を模倣する
29 機能(構造)障害・活動制限の 関連付け作業:■歩行
・過緊張状態からの歩行は、左右下肢へのスムースな重心移動、
歩行に必要な体幹・骨盤の動きは阻害されバランス能力を低下させる
・重心移動の狭さから、動作は慎重にゆっくりとしたものになる
また、介助などの外力に対し容易に筋緊張は克進する
30 治療に至るまでのフロー:
【STEP1 病態の把握と動作の予測作業】
1)脳血管障害の部位とそれに対応する症候・症状を大まかに整理する
2)麻痺側の障害の程度と動作との関連性を予測する
3)非麻痺側の機能も含め、患者の潜在能力(残存機能)を把握する
4)二次的な合併症を把握し、動作との関連性について予測する
1)〜4)はできているか?
NO→1)からやり直し
YES→次のステップへ
【STEP2 動作の大まかな観察作業(気づきの作業)】
5)寝返り、起き上がり立ち上がり、歩行までの基本動作パターンに
着目する(支持基底面と重心の変化)
6)対称性(左右差)、スピード、運動の連続性、バランス、安定性、
代償の有無(どこで代償するか)を観察する
7)正常動作との比較作業を行う
8)姿勢・動作の模倣を行う
5)〜8)はできているか?
NO→5)からやり直し
YES→つぎのステップへ
【STEP3 動作の細かな観察作業】
9)3方面(前額面・矢状面・水平面)より観察する
10)背臥位、寝返り、座位立ち上がり、立位、歩行動作における頭頸部、
上肢体幹(骨盤帯を含む)、下肢の相互関係を観察する
11)操作、誘導を加えて患者の反応(適切な関節運動、筋緊張など)を確認する
12)動作の模倣を再度行う
13)背臥位の観察作業として9)〜12)を行う
14)寝返りの観察作業として9)〜12)を行う
15)座位の観察作業として9)〜12)を行う
16)立ち上がりの観察作業として9)〜12)を行う
17)立位の観察作業として9)〜12)を行う
18)歩行の観察作業として9)〜12)を行う
9)〜18)はできているか?
NO→9)からやり直し
YES→つぎのステップへ
【STEP4 機能(構造)障害・活動制限の抽出作業】
19)機能(構造)障害を挙げる
20)姿勢・動作時の活動制限を挙げる
19)〜20)はできているか?
NO→19)からやり直し
YES→つぎのステップへ
【STEP5 機能(構造)障害・活動制限の関連付け作業】
21)STEP4で挙げた機能(構造)障害と活動制限との関連付けを行う
22)他の要因も考慮しながら、機能(構造)障害と活動制限の原因を明確にする
21)〜22)はできているか?
NO→21)からやり直し
YES→つぎのステップへ
【STEP6 治療への展開】
23)STEP4・5で挙げた機能(構造)障害と活動制限に対するスタンダードな治療を展開する
23)はできているか?
NO→23)やり直し
YES→終了
31
〉他のレポートは こちら
【完】
問題点の考察、機能評価、能力評価の方法、治療の方針と対策など
ケアプラスではより良質な訪問医療マッサージサービスが地域・社会に提供できるよう目指しております。