④ST「訪問における誤嚥対策(NHCAPにおける誤嚥性肺炎の治療方針)」
20200618‐04 今回の講義内容:「訪問における誤嚥対策」 2020年6月18日(木)
講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 言語聴覚士 Ms.S
言語聴覚士講師によるWEBセミナー開催で、大勢の方に参加いただき充実した会となりました。
ご参加の皆様、「誤嚥対策WEBセミナー」を熱心に受講していただき、誠にありがとうございました。
S先生、とても分かり易いご講義をありがとうございました。
セミナーの概要については以下をご参照ください。
(セミナーレジュメ)
01_日本人の死亡原因
(2017年人口動態統計)
02_まごころ式誤嚥対策の基本方針
03_急性期病院で勤務していて、
感じること‥
04_脱水・低栄養・肺炎のサイン
05_脱水の徴候 「ツルゴール反応の低下」
06_なぜ高齢者に脱水が起こりやすいのか?
07_脱水・低栄養・肺炎のサイン
08_嚥下が悪そうな人・・・
09_摂食嚥下障害による負のスパイラル!
10_★ここまでのまとめ
11_今日のメニュー
12_"withコロナウィルス"時代の到来!?
13_廃用症候群とサルコペニアの違い
14_サルコペニアの判断基準
15_指輪っかテスト
16_"withコロナウィルス"時代の到来!?
17_免疫力とは何か?
18_免疫力をUPするためには?
19_高齢者の筋肉量の低下
20_安静臥床による筋力の低下
21_適切な運動と栄養管理!
22_★ここまでのまとめ
23_嚥下障害のこと
なんも言ってないやん・・?
24_誤嚥性肺炎クイズです
25_ST(言語聴覚士)の嚥下練習
26_誤嚥、誤嚥性肺炎とは?
27_食べるときは・・三つの蓋が閉じます
28_摂食嚥下モデル⑤期
29_摂食嚥下5期モデル
30_★ここまでのまとめ
31_質問
32_答え
33_誤嚥性肺炎の発症は
侵襲と抵抗のバランスで決まる!
34_気管侵入=肺炎にならない仕組み
35_質問:
「食べずに、嚥下が悪そうな人って、
わかりますか?」
36_実習
ティースプーン、コップ、水、シリンジ
37_嚥下が悪そうな人・・・
39_舌骨上筋群 と 舌骨下筋群
40_実習 嚥下評価をしよう
41_RSST(反復唾液嚥下テスト)
42_嚥下運動に
関わる筋
43_嚥下筋は鍛えられるか?
44_★ここまでのまとめ
45_介護食について
46_口腔内の汚染や乾燥
47_食べる姿勢
48_嚥下何期に問題があるか?
49_NHCAPにおける誤嚥性肺炎の治療方針
50_嚥下機能低下を防ぐ運動
51_嚥下体操
52_嚥下おでこ体操
53_咳嗽・呼吸の簡単な訓練方法
54_咳嗽訓練
55_口すぼめ呼吸
56_在宅における誤嚥性肺炎の問題
57_【誤嚥性肺炎対策】
58_★今日のまとめ
51_食べる姿勢
●テーブルと椅子(車椅子)で食事する場合
自力で座位(座る姿勢)を保てる人なら、なるべく椅子や車椅子に座って食事をしてもらうようにします。
椅子の高さは、深く腰掛けた状態で足が床にしっかりとついて、かつ膝が90度に曲がるくらいの位置がベストです。テーブルの高さは、軽い前傾姿勢の状態で腕を乗せた際に、肘が90度に曲がるくらいが適切です。また、前傾姿勢を保ち、椅子から落ちないようにするために、背中や頭の後ろなどにクッションを入れて支えるのもおすすめです。
車椅子を使用している人の場合、施設によってはフットレスト(足置き)に足を置いたまま食事をしてもらう所もありますが、基本的に足は床に置くようにしましょう。足が浮いているか床についているかで、食べられる量が変わって(減って)しまいます。
●リクライニング車椅子の場合
リクライニング車椅子を使用している人の場合、リクライニングの角度は椅子のときと同じように90度近くにすることが理想ですが、患者さんの状態や本人の希望に合わせて45~80度くらいに保ちましょう。本人とコミュニケーションをとりながら、無理のかからない角度を見つけてください。
膝は90度に曲げ、足はステップにしっかりと乗せます。体が安定しないようであれば、背中や頭の後ろにクッションなどを入れてあげましょう。
53_NHCAPにおける誤嚥性肺炎の治療方針
1)抗菌薬治療
(口腔内常在菌,嫌気菌に有効な薬剤を優先する)
2)PPV接種は可能であれば実施
(重症化を防ぐためにインフルエンザワクチンの接種が望ましい)
3)口腔ケアを行う
4)摂食・嚥下リハビリテーションを行う
5)嚥下機能を改善させる薬物療法を考慮(ACE阻害剤,シロスタゾール,など)
6)意識レベルを高める努力(鎮静剤,睡眠剤の減量,中止など)
7)嚥下困難を生ずる薬剤の減量,中止
8)栄養状態の改善を図る(ただし,PEG自体に肺炎予防のエビデンスはない)
9)就寝時の体位は頭位(上半身)の軽度挙上が望ましい
54_嚥下機能低下を防ぐ運動
嚥下と呼吸・発声の関係
嚥下体操
嚥下おでこ体操
咳嗽練習
口すぼめ呼吸、腹式呼吸
55_嚥下体操
食事前に実施します。
食事前には口腔ケアを忘れずに。
①姿勢
②深呼吸
③首の体操
④肩の体操
⑤口の体操
⑥頬の体操
⑦舌の体操
⑧発音の練習
⑨咳払い
56_嚥下おでこ体操
額に手を当てて抵抗を加え、おへそを覗きこむように強く下を向きます。
●ゆっくり5つ数えながら持続して行う(6~7秒)
●1から5まで数を数えながらそれに合わせて下を向く
57_咳嗽・呼吸の簡単な訓練方法
ムセは気道防御反応であり、誤嚥を防ぎます。
高齢者は、喉頭咽頭筋のサルコペニア、呼気量の減少、喉頭感覚の低下などで、咳嗽力は容易に低下します。
咳嗽(がいそう)訓練
口すぼめ呼吸、腹式呼吸
58_咳嗽訓練
嚥下障害を持つ人に、まず自発的な咳を行うことを習慣化させます。
その人の腹部に手を置いて息を吸ってもらいます。
しっかり息を止めてから「えへん」と咳をしてもらうように指示します。
その呼気に合わせて腹部を押し、咳の誘導をはかります。
59_口すぼめ呼吸
口すぼめ呼吸(鼻から吸って口から吐く)を行います。
呼吸のコントロールを改善させ、痰や誤嚥物の喀出を促すことが目的です。
ロウソクの炎を消すような気持ちで口をすぼめてゆっくり息を吐き出させます。
肺機能、鼻咽腔の閉鎖機能の強化に役立つとともに口唇の訓練にもなります。
問題点の考察、機能評価、能力評価の方法、治療の方針と対策など
ケアプラスではより良質な訪問医療マッサージサービスが地域・社会に提供できるよう目指しております。