症例を通して学ぶ誤嚥性肺炎のアプローチⅥ
セミナ―レポートをご観覧いただき、誠にありがとうございます。
今回のセミナー情報
講義内容 | 症例を通して学ぶ誤嚥性肺炎のアプローチⅤ |
開催日 | 2023年12月21日 |
講師 | (株)ケアプラス テクニカルアドバイザー 言語聴覚士 Ms.S |
開催場所 | ウェブセミナーにて |
講義目次
【Title】症例を通して学ぶ誤嚥性肺炎のアプローチⅥ
【1】「誤嚥、誤嚥性肺炎とは?」
【2】前回のまとめ
【3】介入例
【4】排痰方法
【5】今回の予定
【6】1ー1 首が下がり過ぎて前が見えません!?
【7】「前を向いて食べさせたい、どうすれば?」①
【8】「前を向いて食べさせたい、どうすれば?」②
【9】PD 姿勢障害(首下がり症候群)
【10】PD 姿勢障害(首下がり症候群)-2
【11】6評価
【12】食事の動画を見た私の感想
【13】食事の動画を見た私の提案
【14】1ー2.首下がり症候群とは?
【15】「首下がり症候群」
【16】首下がり症候群 症状
【17】首下がり症候群 原因
【18】PD姿勢障害(首下がり・腰曲がり)
【19】首下がり症候群 首を支える筋肉①
【20】首下がり症候群 首を支える筋肉②
【21】首下がり症候群 重症度
【22】首下がり症X線分類(立位中間位側面)
【23】「首下がり症候群」 かなと思ったら・・
【24】首下がりテスト
【25】首下がり症候群 チェックリスト
【26】2 首下がり症候群 リハビリ
【27】首下がり症候群 リハビリ①準備運動
【28】首下がり(局所的)で衰えている筋肉は?
【29】首下がり症候群 リハビリ②頭を上げる
【30】首下がり症候群 リハビリ③肩甲骨の運動
【31】2−2 姿勢異常の 食事の姿勢
【32】6評価 ②姿勢 食事の姿勢
【33】円背の食事の姿勢 ❶
【34】円背の食事姿勢❷
【35】円背の方のNG姿勢(座位)
【36】【ここがPOINT】円背の方の正しいポジショニング
【37】姿勢調整例
【38】2−3 姿勢異常のプログラム例(パーキンソン病)
【39】パーキンソン病の姿勢異常とトレーニング❶
【40】プログラム例(座位と臥位)▪️一緒にやってみましょう!
【41】パーキンソン病の姿勢異常とトレーニング❷
【42】パーキンソン病の姿勢異常とトレーニング❸
【43】トレーニング 写真
【44】1年4ヶ月後の成果です
【45】今日のまとめ
【46】評価3 口腔内
【47】質問:口腔ケアについて
【Title】症例を通して学ぶ誤嚥性肺炎のアプローチⅥ
【1】「誤嚥、誤嚥性肺炎とは?」
1飲食物を誤嚥する
2誤嚥したものが肺に入る
3肺に炎症を起こす
【2】前回のまとめ
• 痰がらみのある人の評価と報告
評価)呼吸・発声機能 + 食事、口腔内評価
提案)乾燥を防ぐ、口腔ケアや食形態の調整
• 痰がらみのある人の排痰法は
1)離床 2)咳嗽 3)発声
4)ハフィング がオススメ!
シルベスター法 体軸捻転法
【3】介入例
1)バイタルチェック、呼吸・発声チェック
2)胸部を触診 痰がどこにあるか?
3)両側臥位で 触診
深呼吸、咳をしてもらう(咳嗽)
4)ベッドアップ、離床
咳嗽&喀痰 呼吸・発声チェック
〜対策〜
対策1:身体を起こす・動かす
対策2:乾燥を防ぐ
さらに上級者は・・
対策3
□ 口腔観察 □ 食事、水分調整
ケアマネさんへの報告例を参考にしてみてください
【4】排痰方法
1)体位ドレナージ法(口や気管よりも痰が位置する部分を高くし重力で流す)
2)呼吸介助法
3)スクイージング(胸郭の動きに合わせて、胸を絞るようにして呼吸を介助する)
4)ハフィング
※胸郭の動きを目や手で確認してから、その動きに合わせて行います
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2)呼吸介助法
クラッピング=軽打法(振動を伝え痰の移動を促進)
振動法、ゆすり法 (呼気または吸気を促す)
【5】今回の予定
1ー1 症例「首が下がり過ぎで前が見えません!?」
−2 "首下がり症候群"とは?
2 −1 首下がり症候群 の リハビリ
−2 姿勢異常の 食事の姿勢
−3 姿勢異常の リハビリプログラム例
※バスタオルか枕をご用意ください
▪️コロナに罹った方
家族がコロナに罹った方いますか?
【6】1ー1 首が下がり過ぎて前が見えません!?
>詳しくはこちら
〜B施術師からのご相談〜
・胸に顎にくっつくくらい首が下がっているご利用者さん
CMさんから相談がありました
・食事でムセてます 前を向いて食べさせたいですがどうすればいいですか?
(そもそも前向いて食べてもらった方がいいんですか?)
【7】「前を向いて食べさせたい、どうすれば?」①
>詳しくはこちら
※写真
▪️こんなご利用者さんいらっしゃいましたか?
施設CMからの相談内容
普段から首を下げた状態でいる事が多く(胸に顎がついている状態)
そのせいか食事の際にむせることが多い
・食事でムセがある どうしたらむせないようになるか?
・前を向いて食べさせるにはどうしたらいいか?(その必要はあるのか?)
・効果的な食事時の座り方や運動方法はあるか?
Y様 男性 88歳
既往歴 アルツハイマー型認知症、慢性心不全、糖尿病、
脳幹梗塞後遺症(嚥下障害 構音障害 右上下肢麻痺) 高血圧
やりとり:構音障害がありうまく話せない なんとなく聞き取ることはできる
A D L:右上下肢麻痺はあるが、手引き歩行は可能 食事は自己摂取
【8】「前を向いて食べさせたい、どうすれば?」②
>詳しくはこちら
Y様 88歳
普段から首を下げた状態でいる事が多く(胸に顎がついている状態)
そのせいか食事の際にむせることが多い
CMさん
・訪問の歯科医に相談したところ、
「頚部~背部の凝りがあるせいで首が下がっている」といわれたが
マッサージの人から見てどう思うか?
B施術師
・強い凝りは感じられなかったため、どちらかというと本人の癖や筋力低下によるのではないか?とお伝えした。
本人に上を向くように指示をするとできる。天井の方を見ることも可能だが、どちらも数秒でもとの位置に戻してしまう。
食事の際に前を向いて食べてもらおうとしても、どうしても膝に食器を置いて下を向いて食べる。 以前、前を向いて食べてもらったことがあるが、それでもむせはあったとの事。
・食事でムセがある どうしたらむせないようになるか?
・前を向いて食べさせるにはどうしたらいいか?
(そもそも、その必要はあるのか?)
・効果的な食事時の座り方や運動方法はあるか?
▪️皆さんは、どう思いましたか?
【10】PD 姿勢障害(首下がり症候群)-2
>詳しくはこちら
Y様 男性 88歳
普段から首を下げた状態でいる事が多く
(胸に顎がついている状態)
そのせいか食事の際にむせることが多い
・食事でムセがある どうしたらむせないようになるか?
・前を向いて食べさせるにはどうしたらいいか?
(その必要はあるのか?)
・効果的な食事時の座り方や運動方法はあるか?
▪️皆さんは、どう思いましたか?
▪️日常生活でどんな問題点が考えられますか?
▪️今後はこの方の姿勢はどうなっていくでしょうか?
▪️どんな施術を行うといいでしょうか?
ぜひ、一緒に考えてください・・!
【11】6評価
>詳しくはこちら
【まとめ】
1食形態:きざみ食で水分はとろみ付き
2姿 勢:下を向いている 自己摂取
3口腔内:よだれが多い
義歯食べ残しあり 汚染?
4声 :小さめ あまり話さない
5呼吸 :呼吸数?呼吸苦なし
咳嗽は促せばできそうだけど・・
6RSST :?
食事の様子を動画で見せていただきました
会話:簡単なやりとりは可能だが複雑な内容は理解難しそう
1食形態:注意がそれやすい ムセないが停滞気味
2姿 勢:自己摂取 ゆっくり首垂れ下がっている
4声 : 聞き取りづらい 構音障害あり
上げても維持できない
【12】食事の動画を見た私の感想
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【講師】
いつも頭頸部前屈位が嚥下にはいいよ、って言ってるけど、こりゃ下がりすぎで嚥下には不利だなぁ
パーキンソン病の人の姿勢障害の首下がり症候群みたいだなぁ・・以前私が担当した患者様でパーキンソン
病の首下がり症候群と言われる方ととても似てるなぁ、その方はムセはなかったんです 食事形態の調整だ
けで特に姿勢の介入はしなかったんだよな・・その後きっと嚥下悪くなるはずなのに・・
ここまで下がってると、嚥下にも呼吸器にも悪影響だなぁ・・胸郭が狭くなって気道も狭くなってるから呼
吸器症状はどうかな・・なるほど・・6評価だと今のところ呼吸苦はなさそうだけど、当事者は慣れてるか
ら感じられないかも・・声が小さいのは呼気量が少ないからなのか、脳梗塞後の構音障害の影響なのか・・
認知症もあるから適切に訴えられない可能性もあるかも呼吸数や痰や咳なんかの呼吸器症状はチェックした
方がいいな・・
あれだけ首が下がると喉頭挙上は邪魔になるし咀嚼とか舌での食べ物の送り込みだって不利になるから本当
は頭頸部を上げたいなぁ・・首だけ動かしてもダメなんだよなぁ・・円背あるから座位で骨盤をしっかり立
ててから、下から腰・肩・頸部・頭部と姿勢調整しないと・・リクライニング位かベッドアップで試してみ
たらどうだろうか?あとテーブルを上げてみるとか・・
動画ではむせてないけど、むせやすいって言ってたな・・・
あれ、咀嚼時間がめちゃ長い・・きざみ食なのに?中々嚥下しないなぁ・・
脳幹脳梗塞後の後遺症の嚥下障害もあるから、嚥下反射が遅いからなのかもしれない。
それとも麻痺のせいかな・・
よだれが垂れてくるのはなんでかな・・口唇閉鎖が弱いから口とか頬とか舌の麻痺のせいかもな・・
舌・口・頬・口唇とかに麻痺あるなら、食べ物をうまく咀嚼したり舌で送り込みも中々難しいかもなぁ
もし右側に麻痺があるなら非麻痺側に口に提供すればうまく食べれるかも・・
よだれが多いってことは唾液嚥下ができていないのかな?意識的な嚥下はうまくできても
自動嚥下がうまく行ってないのかな・・パーキンソン病とかの神経疾患のとかって可能性はないかな・・
話し方はゆっくりでちょっと呂律が回ってない感じ・・構音障害もあるんだよね・・でもなんだか受け答え
が適切じゃない感じ・・認知症のせいかな。右麻痺だからもしかしたら失語ってことはないかなぁ・・
【13】食事の動画を見た私の提案
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【講師】
・首下がりの状態は嚥下には不利に働きます
・以前似たような症例を担当したことがあります。パーキンソン病の首下がり症候群と言われる方がい
て、とてもよく似ています。その方は食事形態の調整で解決したため、特に姿勢の介入はしませんでし
た
・首下がり症候群ならば、原因は筋力低下によるものなので、改善は中々難しいと思います
・食事の時に、頭を上げるためにリクライニング位での車椅子やベッド上でギャッジアップして軽減が
ないか試してみてください
・その際に、隙間をタオルやクッションで埋めて姿勢調整をしてみましょう
・脳幹梗塞が既往にありその影響の嚥下障害の影響でしょうか、咀嚼時間が長めですが、顔面麻痺はあ
りませんか?もし右麻痺があれば反体側に提供すると咀嚼時間が軽減するかもしれません
【B施術師】
やってみます
【講師】
・テーブルに肘付き
・壁にもたれ掛かる のはどうかな?
・首下がりの姿勢は治らないって言ってしまったけど、リハビリは必要だもんね・・
もっと運動やリハビリのことも調べてみよう!
▪️ここまでで質問はありませんか?
【14】1ー2.首下がり症候群とは?
>詳しくはこちら
症状:
原因:
首を支える筋肉:
重症度:
首下がり症候群かなと思ったら?
首下がりテスト:
首下がりチェックリスト:
東京医科大学 首下がり症とリハビリ
https://tmuortho.net/sekitsuiblog/首下がり症/
【15】「首下がり症候群」
>詳しくはこちら
・自力で首を保持できない
・前を見て歩くとつらいため、いつも下を向いている
・一時的に首を上げられるが、保持は困難(過度に頭頸部前屈位に)
・顎が胸についてしまう "chin on chest" 状態
【16】首下がり症候群 症状
首下がりの始めの症状は肩こりに似ている
• 首が上がらない、前をむけない、首がつっぱるなど
• 最初は単なる肩こりと思っていたら、少しずつ姿勢が悪くなり、人 から首が下がっていると指摘されて気づく人も多いです
進行するとどうなる?
• 最初は、首に違和感を感じてから1週間から3か月の間で発症し、前 を向いて歩けない、上を向きづらい、台所仕事で前かがみをしてい ると首が重くなる、うがいが不便などで、首の異常を自覚します
• 進行すると、前が向けなくなるためADLにもQOLにも影響します
行動範囲が限定され日常生活の不便が多くなります
【17】首下がり症候群 原因
はっきりとした原因は不明ですが・・・
首を支える筋出力の低下が考えられます
●加齢や不良姿勢による
・廃用やサルコペニア
●脳、筋肉、神経疾患
• パーキンソン病
• 重症筋無力症
• 筋委縮性側索硬化症
●治療の影響
• 首への放射線治療や抗がん剤の影響など
●腰痛圧迫骨折など
【19】首下がり症候群 首を支える筋肉①
>詳しくはこちら
※写真
深部筋 姿勢維持 頚半棘筋、多裂筋など
中間筋 頭を起こす動作 頭、頚板状筋など
表層筋 肩甲骨との連結 増帽筋・菱形筋・肩甲拳筋など
【20】首下がり症候群 首を支える筋肉②
• 首を支えている筋肉のうち、一番深いところにある姿勢維持筋(頚半棘筋、多裂筋)の筋委縮がおこり、それを頭頚部の動作筋である、頭板状筋、肩甲挙筋が代償して首をささえている状態となります。そして浅い部分の僧帽筋など頭、頚椎、肩甲骨を包括する筋肉全体にはった感じがひろがってゆきます
• 起き上がっている時はchin on chest (顎が胸についた状態)となりますが、横になると顎と胸の距離が広がり、首の動き自体は比較的保たれていることが多いです
【21】首下がり症候群 重症度
>詳しくはこちら
上嶋の分類
Grade 0 正常 30分以上連続して前を向いて歩くことが普通にできる
Grade1 軽症 30分以上連続して前を向いて歩くことができるが、首が重くなる
Grade2 中等度 サポートなしで30分以上連続して前を向いて歩くことができない
Grade3 生活に支障あり 数分以上サポートなしで、連続して前を向いて歩くことができない
Grade4 生活に大きな支障あり 数分以上サポートなしで、連続して前を向いて立つことができない
+N 医師に必ず相談の必要あり 上肢の神経症状(麻痺やしびれ)を合併
重症度や治療効果は
どのくらいサポートなしで前を向いて歩けるかで判定されます
数歩で困難、数分で困難、10分程度は可能、30分以上可能、
さらに改善すると首の愁訴を感じずに歩くことができるようになります
【22】首下がり症X線分類(立位中間位側面)
※写真
【23】「首下がり症候群」 かなと思ったら・・
>詳しくはこちら
1「首下がりテスト」をしましょう
首が重くて歩いていて前が見づらいなら首下がり症候群を疑います
(神経・筋疾患などの可能性もあるので要注意!)
2医者に早期に診断してもらいリハビリを開始しましょう
3どんな運動が有効ですか?
首を支えている筋肉の多くは、肩と肩甲骨から発生しているので、首を動かすよりも、肩甲骨と背中を動かすことが大切です。また、腰から曲がっている人は骨盤から姿勢を正さないと首が安定化しません。
つきでてしまったお腹を骨盤を使って引っ込める体操が重要です
早期診断、リハビリ開始
運動は頚部よりも肩甲骨と背中を動かし、骨盤を立て腹筋を使う
▪️次は首下がりテストとチェックリストです
【24】首下がりテスト
>詳しくはこちら
1 天井を見えるか
2 腹ばいで前を見れるか
3 四つん這いで前を見れるか
※ 一つでもできなければ首下がりの可能性あり
5秒以上の維持できるかどうかで評価する
▪️一緒にやってみましょう!
【25】首下がり症候群 チェックリスト
項目1-首がさがっているか
□ 立っていて、3分以上前を見続けられない
□ 歩いていると、首が重くなって、視野がせまくなる
□ 天井を見ることが困難となってきた
□ 下を向いて本やパソコンをした後に、首があがりづらい
□ 人から、姿勢が悪くなったと言われるようになった
項目2-首下がりからくる生活の不自由
□ 歯磨きができない
□ 飲み込みづらい、うがいがしづらい
□ コップで水が飲みづらい
□ 手を上にあげるのが大変
□ 前を見ていると疲れて、つい下をむいてしまう
□ 信号を見続けて渡るのが疲れる
□ 寝返りが不自由
項目3-神経内科の病気から首下がりがくる可能性
□ 手が震える
□ 歩くのがこきざみになってきた
□ 歩くときに足があがらない
□ 腰がまがってきた
□ 物忘れが多くなる
□ 声がだしづらい
【26】2 首下がり症候群 リハビリ
【ポイント】早期診断、リハビリ開始
運動は頚部よりも肩甲骨と背中を動かし、骨盤を立て腹筋を使う
ここまでで質問はありませんか?
【27】首下がり症候群 リハビリ①準備運動
>詳しくはこちら
【リハビリ前の準備体操】
準備体操:マッサージ(首〜肩の後ろ)
①頭半棘筋 ②頭板状筋 ③肩甲拳筋 ④僧帽筋
準備体操:マッサージ(首〜胸周り)
①胸鎖乳突筋 ②斜角筋 ③僧帽筋 など
①大胸筋 ②小胸筋
・運動前後に5分程度を目安に
・痛みのない範囲まで10~20秒程度止め筋肉を伸ばす
・入浴中や入浴後もオススメ
【28】首下がり(局所的)で衰えている筋肉は?
・首を伸ばす筋肉(頚椎伸長筋)
・首を支える土台となる筋肉(肩甲骨周囲筋)
・体幹の筋肉
頭部~頚部~体幹をつなぐ背面全体の筋力の低下
【29】首下がり症候群 リハビリ②頭を上げる
>詳しくはこちら
【頭を上げる運動】
・首を伸ばす筋肉(頚椎伸長筋)
&
首を支える土台となる筋肉
(肩甲骨周囲筋)を鍛える
・一日10回/朝夕2セット程度
〈頭を上げる運動〉
顎を引く筋肉が固いと頭が下方を向くとされています。
頭を上げる際は口を大きく開くことがポイントです。
自力で上げることが困難な方は手を使いながら上げましょう
※①広頚筋の伸張、②頭半棘筋、③頭板状筋 などの強化
【30】首下がり症候群 リハビリ③肩甲骨の運動
>詳しくはこちら
• 猫背の方は首を支える土台となる筋肉(肩甲骨周囲筋)と体幹の筋肉を鍛えます
• 一日10回/朝夕2セット程度
<肩甲骨の運動>
・脇を開いたままに肘を高く上げて、首を反らしながら体の横で、大きな円を描くように動かします
※①頭板状筋(とうばんじょうきん)、②頚半棘筋(けいはんきょくきん)、③菱形筋(りょうけいきん)などの強化
・肩をすくめるように両肩を上げ、ゆっくりと降ろします
降ろした後は「なで肩」となるように肩を下に引き下げます。
※①肩甲挙筋(けんこうきょきん)、②菱形筋(りょうけいきん)、などの強化
【31】2−2 姿勢異常の 食事の姿勢
※写真
【32】6評価 ②姿勢 食事の姿勢
>詳しくはこちら
悪いポイント1:顎が突き出ている
悪いポイント2:身体とテーブルが離れている・テーブルが高すぎる低すぎる
悪いポイント3:足が浮いている
※仰臥位・座位・・・写真あり
安定した姿勢づくりするためには・・? → 接地面を多くする!
【34】円背の食事姿勢❷
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良いポイント1: 頭頸部前屈位であること(ちょっと前かがみ、指三本分)
良いポイント2:安定した姿勢、姿勢が崩れない・食事時間( 分)の耐久性
良いポイント3:身体とテーブルの位置・高さを調整
※写真
【35】円背の方のNG姿勢(座位)
>詳しくはこちら
※図
×椅子が大きすぎて隙間が空いている
×奥に腰掛けて頭の重さでより円背になっている
参照:https://kaigo.ten-navi.com/article/79
【36】【ここがPOINT】円背の方の正しいポジショニング
>詳しくはこちら
※図
・頭ができるだけ垂直になるように後ろへゆっくり倒す
・背もたれと腰の間にクッションかタオルを置く
・つま先からかかとまでしっかり床につける
【38】2−3 姿勢異常のプログラム例(パーキンソン病)
※バスタオルか枕を用意してください
【オススメ!】
参照:シンポジウム:神経難病に対するリハビリテーション研究の最新情報
パーキンソン病の姿勢異常とリハビリテーション 藤本健一 自治医科大学内科学講座
http://nanbyoreha.com/wp-content/uploads/2015/01/1e280ff96392f1c7c19d4369deb2d9a3.pdf
【39】パーキンソン病の姿勢異常とトレーニング❶
>詳しくはこちら
本態性PDの進行期のジストニア(姿勢異常)
・首下がり・猫背・腰曲がり・側屈
傍脊柱筋の筋力トレーニング
姿勢異常を伴う、外来通院中のパーキンソン病患者
①仰向けに寝てお尻を挙げる運動
②仰向けに寝て空中自転車こぎ
③仰向けで膝を揃えて左右に倒す腰のストレッチ
④うつ伏せで上半身を反らす背筋の筋力トレーニング
⑤立って行う、背筋のストレッチ
以上を1日3回毎食前位に1クール3分以内で実施させた。
ワークブックを作成し、実施の有無を回数を記録させた。
※傍脊柱筋・脊柱起立筋と多裂筋
【40】プログラム例(座位と臥位)▪️一緒にやってみましょう!
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【座位】
• 両手を腰にあてて(腕の重みを軽減)、首を上下・左右回旋・左右側屈
• 前を向いたまま、バンザイ運動する(腕を上下する)
【臥位】
• 仰臥位で、手足の伸びをする
• 寝返りを左右2回ずつ
• 仰臥位で、背中に枕をあてる(首には枕なし)
• 両手を後頭部にあてて(手枕のようにする) 両肘をひろげます。
• 背臥位で、肘をつき、頬杖をつくように頭頸部を支え 顎を上げて前方を見る
• ゆっくり頬杖を顎からはずし、3秒から5秒前を見て維持する
【ポイント】
椅子・ベッドと身体に隙間がある場合はタオルや枕で埋めるように配置します(膝、背中、肩など)
【41】パーキンソン病の姿勢異常とトレーニング❷
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手を高く伸ばして壁に向かって立ち、お腹を壁につけては戻します。
排尿後に3回ずつ行うのは日常生活の中で、忘れずに実施するためです。
※出来る人は立って行う運動を追加
横になって行う運動
①仰向けに寝て、お腹を持ち上げます。腹筋と背筋を鍛えます。
②仰向けに寝て、空中で自転車漕ぎをします。腹筋の運動です。
③肩は固定、両腕を揃えて、ゆっくり腰をストレッチしてください。
筋力トレーニングではありません。ぎっくり腰の予防になります。
④腹ばいになり、上半身を反らします。背筋を鍛えます。
出来ない時は、四つん這いになり、天井を見ましょう。
【42】パーキンソン病の姿勢異常とトレーニング❸
>詳しくはこちら
79歳の男性(パーキンソン病)
71歳:右手振戦と歩行緩慢で発症
72歳:L-dopa・DCI・pregolideの服用開始
79歳:姿勢異常が出現(当科紹介受信3ヶ月前)
表情0、会話0、安静時振戦(首0、四肢とも各1)、姿勢時振戦0
筋トーヌス(首3、右手1、左手0、右足0、左足0)
指タップ(右0/左0)、起立2、姿勢4、歩行1
姿勢反射2、動作緩慢2 UPDRS-Ⅲ 合計19点
※UPDRS 統一パーキンソン病評価スケール
姿勢
0: 正常 問題なし
1: ごく軽度 完全な直立ではないが、高齢者では正常である範囲
2: 軽度 明らかな前屈、側屈あるいは一側への傾斜があるが、患者に良い姿勢にするように指 示すると姿勢を正す事ができる
3: 中等度 前屈姿勢、側屈あるいは一側への傾斜が見られ、随意的には姿勢を正す事ができな い。
4: 重度 極めて異常な姿勢を伴っての前屈、側屈あるいは傾斜
【45】今日のまとめ
• 今日は首下がり症候群について学びました
• 過度な頭頸部前屈位は嚥下だけでなく呼吸、消化器、循環器障害などを招くだけでなく、ADLやQOLにも大きな影響を与えます
• 運動リハのポイントは、肩甲骨と背中を動かし、骨盤を前屈位に調整し腹筋を使うこと 普段の姿勢作りが大事です
• 姿勢改善は簡単ではありません どの筋肉にアプローチしているかわかると施術も楽しくなると思います
• どうか、ご利用者さんの食事の姿勢を確認してみてください
• 食事場面で頸部後屈位や円背位を修正するだけで即時的に嚥下機能が改善されることもあります
• 明日のみなさんの診療にお役に立てることを祈ってます!
【46】評価3 口腔内
>詳しくはこちら
①乾燥があるかないか? ある・なし
②汚染があるかないか?(口腔内や義歯) ある・なし
③舌苔があるかないか? ある・なし
・その他・・・異常がないか? 潰瘍、炎症など
舌苔への対処:
口腔ケア時にスポンジブラシで数日間ブラッシングを続け少しづつ除去します。
歯ブラシでは除去しないで下さい。
【47】質問:口腔ケアについて
>詳しくはこちら
ご利用者様で、義歯を入れたままの方がいらっしゃいます。
口腔ケアの観点から、義歯のケアはどのように対応すれば宜しい
でしょうか。(浦和/石原さん)
返答:
義歯の日常ケアについて
義歯は毎食前後で洗浄し装着します。寝る前に外し義歯洗浄剤に
浸して、翌朝食事前に一度口をゆすいでから装着します。
義歯は装着していないと合わなくなってしまいます。
義歯があっていなければ義歯接着剤などを利用しましょう。
義歯の手入れを毎日しない人はする人に比べ1.3倍肺炎発症率が高ま
るデータも最近発表されました※
参照:「入れ歯の手入れを毎日しないと過去年間の肺炎のリスクが1.3倍高かった
~世界で初めての一般高齢者における研究~」 東北大学大学院歯学研究科 2019年
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