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20210617-02「症例から学ぶアセスメントとその実践partⅡ」

講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 言語聴覚士 Ms.S

今回の講義内容:「症例から学ぶアセスメントとその実践partⅡ」 2021年6月17日 
講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 言語聴覚士 Ms.S

言語聴覚士講師によるWEBセミナー開催で、大勢の方に参加いただき充実した会となりました。
ご参加の皆様、「誤嚥対策WEBセミナー」を熱心に受講していただき、誠にありがとうございました。
S先生、とても分かり易いご講義をありがとうございました。
セミナーの概要については以下をご参照ください。

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【セミナーレジュメ】
【1】 本日のメニュー
【2】 症例A 90歳 (女性) 施設
【3】 症例A 
【4】 〈質問シートと6評価を用いる理由〉
【5】 質問シート=問題点は?
【6】 問題点の分析
【7】 6評価:どうアプローチするか?
【8】 施術内容
【9】 改善点
【10】 施設からの声と他職種との連携
【11】 症例Aさんのような方について

【12】 実技
【13】 顎引き嚥下(頭頸部前屈位嚥下)
【14】 喉頭挙上訓練
【15】 症例B 90歳 (女性) マンション独居
【16】 質問シート=問題点は?
【17】 6評価:どうアプローチ?
【18】 施術内容
【19】 改善点
【20】 症例Bについて
【21】 家族やケアマネからの声
【22】 症例Bさんのようなご利用者様について
【23】 実技
【24】 シルベスター法


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【7】   6評価:どうアプローチするか?

問題点:栄養不足

咽頭期、準備期、口腔期、食道期に問題あり

口腔停滞あり(準備期・口腔期)

むせが多い(咽頭期)

食形態や姿勢の調整すれば改善できる?


問題点:

・食事の姿勢 頸部後屈位

・安静時より咳嗽あり → 唾液でむせている?

・声が小さく嗄れている

・呼吸機能の低下あり


アプローチ方法:

・食形態をソフト食やペースト食に変更する

・姿勢調整

・発声練習、口腔顔面運動、おでこ体操

・咳嗽練習

・呼吸機能維持改善


【8】   施術内容


・ 拒否がでないように臥位でできることをおこなっている

・ 仰臥位で頚部の筋緊張緩和の目的で温罨法・マッサージ施術を実施したのち、

 シルベスター法、体幹捻転法・深呼吸と胸郭伸張を組み合わせている

・ その日の調子が良ければ、起き上がり動作練習を実施


【9】   改善点


   ・ 頚部角度:施術中ではかなり前屈できるようになった

   ・ ほぼ毎回むせていたが、むせる場面が5回に1回になった

   ・ 前は口に入れても、もぐもぐとせず溜まっていたが、それが咀嚼するようになった

   ・ 1時間以上かかっていたのが、1時間以内になった

   ・ 車いすがリクライニングであったのが、普通の車いすとなった

   ・ 「うつむく動作をしてから食事してほしい」とお伝えしたり、

     「マッサージではこうしてほしい」などの

     スタッフからの要望も聞けている、連携がすごくできている


【10】   施設からの声と他職種との連携


   ・ ケアマネや施設スタッフからは、

     「誤嚥対策をしてもらってとてもうれしい」

     「特に食事時間も短くなっており、非常に助かっています」


      今はムセの回数を減らすことと、誤嚥しそうなときに吐き出せるようになることを

      共通の目標としている


   ・ 施設ヘルパーには、

      枕を動かすときに口腔顔面運動を実施するとよいことをアドバイスして実施してもらっている


【11】   症例Aさんのような方について


     認知機能低下の方に対するアプローチがとても良いですね

     呼吸機能低下のある方へのアプローチもされています

     呼吸機能や神経疾患の既往がないか確認しましょう

     楽しみながら発声や呼吸練習ができる方法を検討してみましょう

     ムセが多い方は、食形態が合ってない可能性が高いです

        「刻み食」は要注意!  「刻みとろみ食」

     かなり痩せ型なので、おやつに栄養補助食品をオススメします


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問題点の考察、機能評価、能力評価の方法、治療の方針と対策など
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