開催レポート

< 開催レポート一覧

20210421-03「訪問施術で役立つ姿勢・動作リハビリⅡ」

講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 理学療法士 Mr.T

今回の講義内容:「訪問施術で役立つ姿勢・動作リハビリⅡ」 2021年4月21日
講師:㈱ケアプラス テクニカルアドバイザー 理学療法士 Mr.T

今回も、大勢の方に参加いただき充実した会となりました。
ご参加の皆様、「理学療法WEBセミナー」を熱心に受講していただき、誠にありがとうございました。
T先生、分かり易く熱意あるご講義をありがとうございました。
セミナーの概要については以下をご参照ください。

ケアプラスセミナーレポートTop_03.png


目次
【1】 リハビリを行う流れ
【2】 しているADLと出来るADL
【3】 動作観察(評価)1
【4】 動作観察(評価)2
【5】 動作観察(評価)3
【6】 動作観察(評価)4
【7】 動作観察(評価)5
【8】 動作観察(評価)6
【9】 動作観察(評価)7
【10】 起き上がり動作Sitting over
【11】 背臥位〜端座位 起き上がりパターン
【12】 起き上がり動作の第1相 1
【13】 起き上がり動作の第1相 2
【14】 起き上がり動作の第1相 3
【15】 起き上がり動作の第2相 1

【16】 起き上がり動作の第2相 2
【17】 チェックポイント
【18】 肩甲帯の固定を促すアプローチ
【19】 臥位で肩甲帯・上肢への体重負荷による 肩甲帯の固定性のアプローチ
【20】 起き上がりを通して体重を支持しながら肩・肘・手の独立した運動性獲得のアプローチ

PT_2021_0421_top.png


【10】


PT_2021_0421-10.png


【11】   背臥位〜端座位 起き上がりパターン


   背臥位 → 長座位

   背臥位 → 体幹を回旋しながら長座位 → 端坐位

   背臥位 → 体幹を屈曲させながら臀部を軸に回転 → 端坐位

   背臥位 → 側臥位となりベッドから下肢を下垂 → 端坐位

  顕著に筋力が低下していたり、片麻痺で弛緩性運動麻痺などが見られる方は、

   背臥位 → 側臥位となりベッドから

   下肢を下垂 → 端座位となるパターンが多い


【12】   起き上がり動作の第1相 1


  背臥位から体幹を回旋して側臥位になり、

  肘で体幹を起こして片肘支持位まで(on elbow)

  背臥位から側臥位となりそのまま股関節を屈曲させ、ベッドから下肢を下垂させる


  このとき、第1のてこ(安定のてこ)が働いて、

  下肢の重みが力点となって体幹を持ち上がり易くなる

  (カウンターウェイトの活性化)


【13】   起き上がり動作の第1相  2


  下肢をベッドから下垂させたとき、体幹の柔軟性(主に側屈)が欠如していると、

  第1のテコがうまく利用できないため、体幹は持ち上がり易くならない

  よくパーキンソン病の方などは体幹の柔軟性が欠如しており、

   そういったケースが多く見られる


【14】   起き上がり動作の第1相  3


  下肢の重みで体幹が持ち上がり易くなったところで、

  ほぼ同時にon elbowに移る(on elbow:肘で体重を支持すること)

  on elbowを成功させるには、回転運動の軸を肩関節から肘関節へ移行する必要がある


  そのため、肩関節を軽度屈曲・外転・内旋位、肘関節軽度屈曲位で保持した後、

  肩関節を伸展させ、on elbowへ移行する

   → 肩関節伸展作用の三角筋後部線維と腹筋、腹斜筋群が強く活動


【15】   起き上がり動作の第2相  1


  片肘位(on elbow)状態から上肢を伸展して起き上がるまで

  on elbowからon handへの移行は、第2のてこの形になり、

  比較的少ない力で体幹を起こすことが可能になる


  on elbowの支持基底面は側方臀部、前腕と範囲が広い状態だったが

   on handへ移行するに従い、支持基底面は臀部と支持している

  手の範囲内でしかないため、劇的に支持基底面が狭小し、重心も上方に移動する


  体幹機能が不安定な方は、

  このon elbowから on handへの移行期に特に注目して観察するべき


〉次回レポートは こちら


〉他のレポートは こちら


問題点の考察、機能評価、能力評価の方法、治療の方針と対策など
ケアプラスではより良質な訪問医療マッサージサービスが地域・社会に提供できるよう目指しております。